A：
仏壇は普通の家具と違い、仏さまの住まわれているところで結界を張る神聖な場所です。開眼供養（魂入れ）をしなければただの箱にすぎません。お坊さんにお経をあげてもらい、仏壇に入れる本尊様、位牌にも魂を入れてもらうことによってはじめて、仏壇が拝む対象物となるのです。

A：
お盆の棚のことを精霊棚とも言います。普段お参りする仏壇と違って、お盆の時だけ特別にしつらえるのです。お盆にはご先祖様が家に帰ってきて留まるとされ、精霊棚にお迎えをし、家族皆で接待をするとされている。精霊棚は、家の中でも特別な部屋、仏間や床の間などに飾ります。棚には、山海の珍味ということで乾物や新鮮な野菜、果物、菓子、そうめん、煮物、水、お茶、お霊膳、ローソク、線香、生花などを備え、丁寧なご供養をしてください。

A：
施餓鬼会のことを云います。施餓鬼とは、生前飽くなき貪欲をむさぼった報いにより、餓鬼道に堕ちて飢渇の苦しみを受けている餓鬼に、水や飲食（おんじき）を施し、法力によって苦界より人天の世界へと救い出す法儀式なのです。餓鬼道は、仏法を信ぜずおしみ、むさぼり、ねたみ等の執着心に明け暮れた報いで餓鬼道に堕ち、食べ物が悉く炎と化し何一つ口に入れることが出来ず、飢えの苦しみを限りなく受け、自分の力ではこの苦しみから抜け出す術がありません。施餓鬼会ではこの餓鬼たちに法施、財施、無畏施（むいせ）をし、救い出すのです。この餓鬼道に堕ちないためには、布施行を実践することです。他の人のために尽くす行いで誰にでもすぐにできます。

A：
彼岸とは詳しくは「到彼岸」（とうひがん）と云い、彼岸に至るつまり、煩悩生死の苦界を超え、理想郷である涅槃の岸に到達すること。つまり、迷いの娑婆世界から悟りの世界彼岸へ至るという意味です。私たちは仏心、仏性があり、これに気づき、目覚めたとき仏は随所に現れる。私たちの自覚の有無、心の持ち方次第で、この世から苦しみが消え、苦しみなど全く無い仏の世界が露現する。地獄、天国はあなたの心の中にあるのだ。あなたの心の持ち方一つで、見え方が地獄だったり、天国だったりする。このことに気付くことです。

A：
お寺にはそれぞれ山号（さんごう）が付いています。当山の場合は、「紅梅山　高音寺」と称し「紅梅山」が山号で、「高音寺」が寺号と云うことになります。山号が付くのは、仏教はそのほとんどが中国から伝わっており、中国仏教の名残とも言えましょう。中国では多くの場合、寺号ではなく山号で呼び合っていました。それがそのまま日本へと伝わって、日本のお寺も、山号が付いたわけです。「京都五山」、「鎌倉五山」なども五つのお寺という意味でつかわれています。従って「山」には、山そのものを指す場合と、お寺を指す場合とがあるということです。