仏教についてのミニな知識をお授け致します
その一 焼香について
焼香をするときは、焼香台の前に立ちまず合掌をして頭を下げます。次に抹香を一つまみつまんで、額の所へ持ってきて、もう片方の手を添えます。両手でということです。両手で亡くなられた仏さまのご冥福をお祈りいたします。その抹香を炭の上に載せます。もう一度合掌をして深く頭を下げまして次の方に代わって下さい。焼香の回数は1回で良いのです。ただし丁寧に行ってください。これは宗派を問わず同じです。
その二 合掌について
合掌は仏教伝来とともに我が国に伝わったもので、仏教信者が仏菩薩、先祖などの尊霊を礼拝供養する礼義作法であり、信者が帰依の誠をささげた姿でもある。合掌の右手は諸仏、左手は凡夫(衆生)を著し、仏と凡夫と一体の尊い姿を現しています。正しい合掌とは正座し姿勢を正し、両手の指を合わせ、掌(たなごころ 手のひら真ん中あたり)をピッタリとくっつける。掌を合わせたときの手の位置は指を顔につけないで少し前に出し、中指の先端が鼻と同じ高さになるようにする。
また、心に慢心があっては真の合掌はできません。そこで、常に謙譲の心を持つようにすれば自然と尊敬心がわき、仏菩薩に帰依できるのです。つまり、合掌とは敬意と感謝と平和の姿でもあるわけです。自己の全身全霊、身も心も仏さまの前に投げ出して、仏さまの慈悲の光に照らされた姿こそが帰依の姿であります。
その三 礼拝について
仏菩薩や先亡諸霊などを礼拝するときの心構えは、「能礼所礼性空寂(のらいしょらいしょうくうじゃく)」に徹すること。つまり、能礼の自分と所礼(所念の仏)との間にわずかでも溝や隙間があってはいけないという教えです。仏と自分と一体になり、信心の誠が所念の仏に通ずるところに礼拝の意義があり、これを「感応道交(かんのうどうこう)」というのです。感応道交して初めて自他(所念の仏と)共に救われるのです。